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作業療法士の施術対象となる人は、患者さんごとに年齢層や症状といったものが異なりますので、いろいろな面からサポートしなければなりません。そのなかで楽しいと感じることや大変だなと思うことは、数多くあることでしょう。ある作業療法士の実体験に基づき、どのようなことがあるか見ていきます。
患者さんの満足度が上がっていく姿を見るのが楽しい
病気で外出できなくなり、家の中でしか行動できない患者さんに対して、その人が望んでいた活動ができるようにするため、作業療法士は作業療法を実施します。
その結果、例えば、ある患者さんは同窓会に行く、ある患者さんは近所のプールに行って運動をするなど、各々が望む活動ができるようになり、本人が満足し喜んでいる姿を見ることが、作業療法士として最もうれしい瞬間だと言います。
患者さんとかかわり、その人を知ることが楽しいと感じている作業療法士は多いようです。それは小児から高齢者まで、どの年齢層であっても同じで、その人の生活やどういう経験をしてきたかを聞くことも、さまざまな発見があり楽しく感じられるそうです。
作業療法士はリハビリのお手伝いをするのが仕事であり、仕事を通じての出会いではあるものの、何度も接したり共通の目標に向かって進んでいくため、距離感は近くなりやすい一面があります。
そのため、患者さん自身を知らなければ仕事ができない部分もありますが、人とのつながりを感じるときも、作業療法士という仕事をしていて楽しく感じる瞬間でもあるそうです。
患者さんの人となりをうまくキャッチできないと大変
作業療法では、患者さんがどういう人か、また何を求めているかという点をつかめていないと、満足いく結果を得られないこともあるようです。
人との出会いやつながりが楽しく感じられる反面、患者さんがどういうふうに生活をしてきたか、どのようなことを望んでいるかなど、人柄や生活状況をうまくキャッチできないと、作業療法を行っていくのが少し難しくなる場合もあり、悩んでしまうこともあるそうです。
単に体を動かしても「いったい何のために動かしているのだろう?」など、作業療法士自身のなかに疑問がある場合、患者さんにも伝わってしまい、リハビリ中止ということにもなりかねません。患者さんが望んでいることや想いを共有することは一番楽しいときでもあり、一番悩むところでもあるという二面性があるようです。
例えば、歩くことができる患者さんがリハビリをして外出できるようになったとしても、当の本人は「歩くことができない」と思っているケースもあります。
こういった場合、作業療法士としてはできている動作には“できている”と評価しますが、本人にするとできていたころの自分の歩き方や歩いているイメージがあるため、気持ちのなかでは歩いていないと判断してしまうそうです。
いかに「患者さんが思い描いている動作」にもっていくかというのは難しい一面ではありますが、患者さんの気持ちや考えを共有し引き出して一緒に行うことが大切だと、ある作業療法士は言います。
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