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不動産鑑定士の歴史を知ろう

不動産鑑定士の歴史を知ろう

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不動産鑑定士にはどのような歴史があるでしょうか。不動産鑑定士が誕生したいきさつについて、移り変わる時代背景とともに確認してみましょう。また、不動産鑑定士が経済混乱を防ぐ役割を担ってきたことや、今後も活躍が期待されることなどを併せて紹介します。

適正な地価と不動産の有効利用を判断する

国家資格である不動産鑑定士の歴史は比較的新しく、1963年に『不動産の鑑定評価に関する法律』が公布されたことにより誕生しました。所得倍増計画で工業地の地価が跳ね上がった時期で、地価が乱高下すると国民の経済活動によくないということから、不動産鑑定士が必要とされたのです。
 1970年には地価公示により、一般に不動産の地価についての水準を知ることができるようになり、人々はそれを指標に不動産取引を行うようになりました。
 1972年ごろから日本列島改造論により全国の住宅地の価格が高騰しますが、その後にオイルショックが起こったため、地価は瞬く間に下落していきました。
 1986年以降になるとバブル景気が到来し、商業地を中心に地価が値を上げていきました。やがてバブルが崩壊、地価変動率はマイナスになり、山一證券の破綻などを生み出していきます。バブルにより地方の地価水準は上がり過ぎたため、現在でもバブル期の3%の価格にとどまっているところもあります。
 2001年からはJ-REIT(ジェイリート:Japan-Real Estate Investment Trust)と言われる不動産投資信託が始まります。不動産ファンドが投資家から集めた資金で不動産を購入し、賃貸収入や売買益を一般投資家に分配する商品です。一般投資家は不動産のプロではないので、ここで不動産の鑑定評価が必須とされ、不動産鑑定士がこの制度を支える一翼を担うこととなりました。J-REITは12兆円もの市場規模をもつほどに成長しています。
 2010年ごろからはCRE(Corporate Real Estate)という、企業が所有する不動産の有効活用についてコンサルティングを行うようになり、不動産鑑定士の活躍の場が広がっています。

経済混乱を防ぐ役割を担う

バブル期は値上がり益のみを追求して、裏づけがないまま物件を購入する企業が相次ぐなど、投機的な不動産取引が行われていました。価格を評価するだけではなく、大きな経済混乱を防ぐのも不動産鑑定士の役割でもあります。
 リーマン・ショックなどがあると景気が悪くなり、失業者が増えたり、派遣社員が契約を切られたりすることがありますが、不動産鑑定士は不動産を適正に運用したり、価値を上げることに役立っています。
 最近では、シェアハウスのサブリース問題が取りざたされています。オーナーの中には該当する不動産物件を直接見ることなく契約した人もいるようですが、その背景には不動産に関する知識不足が関係するのも事実です。不動産は現物があるのですが、購入した人は不動産投資として金融商品を買ったイメージでいるようです。不動産はもっているだけでは価値が上がりませんが、マーケットが良いと買ってしまうという状況です。
 パンやジュースなどのように、飲んだり食べたりしたらなくなってしまう消費財と違って、不動産は社会資本であり長く存在します。登記をしたら私有物になりますが、それでも社会ストックであることには変わりません。不動産鑑定士はそんな不動産を正しく鑑定評価する使命を担っています。また、不動産の価値評価を通じて、金融投資などに役立っています。さらに、不動産を担保にしたファイナンスや不動産投資などを行う場合、会計や財務諸表への監査などにおいて、不動産の適正評価は必須です。グローバル化した現在、海外での事業においても鑑定評価は役に立っているのです。

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