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不動産鑑定士の楽しいことと大変なこと

不動産鑑定士の楽しいことと大変なこと

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不動産鑑定士として仕事をしていくうえで、うれしいことや楽しいことはどのようなことでしょうか。また、苦労することや大変なことはどのようなことがあるでしょうか。日本だけではなく海外で活躍することもある不動産鑑定士に個人的な経験を含めて聞いてみました。

その土地について知ることができるのは楽しい

不動産鑑定士の仕事として実査(現地で物件の調査をすること)がありますが、ある不動産鑑定士は実際に出かけて土地や物件を見ることが単純に楽しいそうです。沖縄などのリゾート地でホテルを見ることや、契約によってはハワイなど海外に出かけることも。日本の不動産の鑑定評価制度はアメリカからもってきたもので、国によって違いがあり、例えばドイツの場合は、鑑定士が決めた金額はより重要で、権威があります。発展している都市のほうが、鑑定評価制度が整備されているそうです。
 日本国内で物件を見ていると、その土地それぞれに風習や違いがあることがわかり、興味深いと感じるそうです。例えば、大阪や京都には『文化住宅(2DKの古いアパートのような、横に住居が並んでつながった長屋のようなもの)』がありますが、関東では見かけません。また、関西は私道の率が高いという地域性があります。
物理的なことだけではなく、不動産の取引についてもそれぞれ特徴があり、東京と大阪で慣習に違いがあります。賃貸借契約をする場合、関東では『敷金』『礼金』が必要ですが、関西では『保証金』『敷引き』であり、その内容も違います。
 例えば、関西で家賃5万円のアパートを借りるには、保証金は50万円(家賃の5~10倍)が必要で、敷引が15万円、そこから退去する際に原状回復した費用を引いた金額を返すというしくみです。関西は保証金制度で初期費用がかかるため、気軽に部屋が借りられず、結果として長く住むことになります。対して、東京は敷金・礼金とも家賃の2カ月という契約が主でしたが、最近は変わってきており、礼金はゼロ、敷金1カ月という契約が増えています。シェアハウスにいたっては保証金も必要ありません。すぐに引っ越せるので、東京のほうが人々の流動性が高まると言えます。地主の権利意識が高い京都などとは違い、どんどん街の情景が変わっていくのが東京らしいのかもしれません。

事業内容を理解しないと価格評価ができない

不動産鑑定士にとって大変なことの一つに、境界の確定ができないということがあります。ゴルフ場での境界線が雪で隠れていたり、生い茂る竹やぶでは境界となる杭が古くなってみつからなかったりする場合です。
また、規模が大きな企業や特殊な用途をもつ物件の場合は事業内容を理解するのに時間がかかり、鑑定評価を下すのに悩むことがあります。一般的なオフィス、住宅と違って、商業、ホテル、物流施設などはその不動産を利用する事業者の事業内容が理解できないと評価することはできません。さらに、特殊な用途の不動産や高速道路、下水道処理施設などのPRE(Public Real Estate)という公的財産は、何に利用されて、どういう収益価値があるかを正しく理解しないと評価できないのです。そういうときはひたすら勉強するしかありません。鑑定するために必要なバックグラウンドがわからないと難しいので、情報収集に努めます。

取材協力先 田代 務

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