PART IV言葉と哲学のメソッド18「正しい」を考える

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それは正しい。それは間違ってる。

というのは、いったい誰がどうやって決めるんだろう。

例えば、日本に暮らす人たちみんなの生活や環境をよりよくするには、政治や経済をどんなふうに変えたり動かしたりするのが正しいのだろう。現状はどうだろう。

一口に「日本」といっても、そこには多種多様な人たちがいる。年齢も性別も出身も職業も、教育や経済や健康の状態も、やりたいこともやりたくないこともちがういろいろな人たちがいる。

それにできればお互いなるべく自由でいたい。でも自由ってなんだろうか。なんでもしていいのとはちがう。自分の自由のために、他人の自由を損なっていいかといったらそんなことはない。自分が他人の自由を奪うことは気にしない人でも、立場が逆になったらイヤだろう。

政治とは、いろんな立場のちがう人たちが、それでもできるだけうまくやっていけるように利害を調整する仕組みだ。

しかも、日本に住んでいる人全員の希望を聞いたりはしていられない。というので、少数の代表者を選んで判断を任せる仕組みをとっている。

この仕組みが暴走したり、一部の人だけを利するようにしないために、憲法をはじめとする法律がある。

では、政治や法律の仕組みをどんなふうにしてゆけば、みんながいっそう幸せだろうか。いまはどんな仕組みだろうか。

というか、幸せってなんだろう。さらに基礎から考えようと思ったら、哲学の目も役に立つ。というのも、哲学は物事の前提から考えてみることだから。

この際、正しさについてとことん考えてみよう。

116正義はどこにある?

1000年の超難問に哲学が挑む

1人を殺せば5人が助かる。その1人を殺すのは正義といえるか。世の中はいつだって、こんな難問に満ちている。だから、答えを求めてアリストテレスもカントも、人類はずっと哲学してきた。ハーバード大学の超人気哲学講義を通して学ぶ「正義」へのアプローチ。

117自由すぎる社会で

便利さの罠にはまってしまう前に

インターネットの信奉者たちはその素晴らしさを連呼する。「すべてはつながっている。オープンだ。フリーメディア万歳」と。しかし、無料ほど恐いものはない。シリコンバレーを知り尽くした男がネット業界の裏側を告発する。ネットに絡めとられた自由を取り戻すのは今しかない。

118未来をつくる権利

手を抜く権利、ほしい?

「よりよく生きるためにこんな権利があったら」を、社会学者の荻上チキが空想してみた。現代の身近な社会問題をたぐりよせ、「縁を切る権利」「病気である権利」「手を抜く権利」などを仮説してみる。身体も大事だから「快眠権」「快便権」なんてものもあっていい。一件突飛な未来を考えてみると、現代の問題の解決の糸口になる。どんな権利がほしい?

119憲法は変えるべき?

改憲、護憲より、まず「知憲」

せめて一度は憲法を読んで、きちんと知ることから始めよう。私たちの生活はすべて憲法とつながっているのだ。大阪大学で大人気の「日本国憲法」講義を受け持つ谷口真由美先生が、高校生、主婦、フリーターに会社員…みんなの憲法の疑問に答える。学生が選ぶベストティーチャー賞に輝いたセンセイに学ぶ。憲法は知れば知るほど面白い!

12017歳からの政治入門

政治がおもしろくなるコツ、教えます

ひいきのチームや候補者を勝たせたい。これが選挙投票の基本。AKB48の選抜総選挙みたいに推しメンが見つかれば、がぜん選挙や政治はおもしろくなる。そもそも政治に「中立」はありえない、体制・反体制のどっちにつく? 右翼と左翼のどっちがいい? 二者択一で、政治の見方を教えてくれる。推しメンを見つける訓練をしてみよう!

121哲学者が考えること

これから哲学は、使える!

「哲学=人生論」だなんて決めつけてはいけない。哲学は、時代の大転換期に一歩離れたところから問題を捉え直し、本質を見極めるための方法なのだ。現役バリバリの哲学者たちが、人類の明日に向けて現代の難問に挑む。テロリズム、人工知能、遺伝子工学、環境破壊、格差社会…。哲学の最先端がここにある。

122こんな時代にどう生きる?

天才科学者の人生指南

自分はしょせんこの程度、その思いこみは今すぐ捨てよう。誰かが作った常識から脱け出て、すべてのバイアスを取り払えば、新しい世界が見えてくる。「自分らしさなんてひとつじゃない、無限につくれ」「夢があるから人生は制限される」。世界的なアンドロイド研究の第一人者・石黒浩がぶっ飛んた見方を提示する。アンドロイドを作ってみると、「人間とは?」がより分かってきた。異端の科学者からのメッセージ集だ。

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