ジェネラリストとして、広く世界で活躍できる力が養われる
インドネシアでの現地調査の様子
あらゆる領域とかかわり、常に学び続けられる
環境科学のおもしろさは、現実の問題に取り組むということと、領域の幅広さでしょう。
私が研究している「ダムの建設と住民移転の問題」について考えてみましょう。そこにはさまざまな問題がからんでいます。
まず、経済や社会の問題があります。補償に充てる現金や土地はどのように捻出し、どのように給付するのかといった問題から、補償金の使い方や移転先での生活再建など、個人レベルの問題まで、お金の流れは非常に重要になります。
移転するのは農家が多いため、移転先で、今までと同じように農業ができるのか、できない場合、何をどのように育てればいいのかといったことを学ばなければなりません。移転先では農業をしないという意思をもった人たちには、職業訓練が必要になります。
補償のしくみ、枠組みの形ができたら、今度はそれをきちんと制度化するという段階になります。そこでは、法律や行政の知識が欠かせません。
もちろん、これらすべての専門知識を、1人の人間が身につけるのは不可能に近いでしょう。ですから、実際に研究をしたり、環境に関する問題に取り組んだりするときには、さまざまな分野の専門家と共に進めていくことになります。そのようにして、自分の専門外の領域についても常に学べ、知見を広げられるというのは、環境科学の大きな魅力です。
幅広い知識を身につけたジェネラリストとして活躍できる
環境科学は、先ほども述べたように、非常に幅広い領域を内包する学問です。ですから誤解を恐れずにいえば、大学の学部レベルで身につけられるのは、環境科学全体にかかわる広く浅い知識ということになります。
広く浅いというと、悪い意味でとらえられがちですが、私はこれには非常に意味があると考えています。なぜならこれは、環境科学を学ぶことで、ジェネラリストになれることを意味するからです。
環境問題について考えるときには、先ほども説明したように、多くの専門家、つまりスペシャリストの頭が必要になります。専門的な話は時に伝わりづらく、また専門の違う人が集まることで、話がなかなかまとまらないこともあるかもしれません。そのようなときに、きちんと方向を修正し、人々をまとめるのは、幅広い知識をもったジェネラリストの役割なのではないでしょうか。
人類が存続する限り、環境についての議論はなくなりません。そのようなときに人々の中心となって話をまとめ、問題解決に当たっていく力が、環境科学を学ぶ中で身につけられます。
全国のオススメの学校
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静岡大学(情報学部)国公立大学 / 静岡
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玉川大学(環境農学科)「全人教育」を理念に、学生一人ひとりのもつ可能性を引き出し、夢の実現に挑戦する人材を育成。緑豊かなキャンパスには、教育・文・芸術・経営・観光・リベラルアーツ・農・工学部の様々な夢をもつ学生が集います。私立大学 / 東京
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常葉大学(社会環境学科)10学部19学科の総合大学。「知徳兼備」「未来志向」「地域貢献」の教育理念に基づき、未来の国や社会、地域のために真に貢献でき、時代の変化に対応できるスペシャリストを育成します。私立大学 / 静岡
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京都建築大学校(エキスパート)文系・未経験関係なく、建築・インテリアを学ぶことができます。毎年のように学外コンクールで受賞するなど、「資格」の学びだけでなく「企画力」「設計力」「スケッチ力」も身につく学びもKASDにはあります。専門学校 / 京都
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信州大学(農学部)国公立大学 / 長野
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北九州市立大学(人間関係学科)文系は創立77年の歴史を誇る「北方キャンパス」、理系は北九州学術研究都市に「ひびきのキャンパス」を構えています。本学は「地域と歩む」「環境を育む」「世界とつながる」の3つのビジョンを掲げています。国公立大学 / 福岡
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筑波大学(生命環境学群)国公立大学 / 茨城
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武蔵野美術大学(空間演出デザイン学科)幅広い教養を備え、人間的にも優れた美術・デザインを中心とする造形各分野の専門家を養成。自分と厳しく対峙する造形活動を通して得られる、正解のない答えを探求する能力は、今の時代にこそ必要とされています。私立大学 / 東京
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新潟薬科大学(応用生命科学科(理系))「理系」「文系」「医療系」の4学部5学科を有する【医療・健康系総合大学】として、地域の医療や産業および教育の発展に貢献できる、信頼されるプロフェッショナル人材を育成しています。私立大学 / 新潟
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工学院大学(応用化学科)工学院大学は、1887(明治20)年に創立され、現在は4学部15学科を有する理工系総合大学です。新しい時代の変化に対応できる研究者・技術者を育てます。私立大学 / 東京
環境科学とはどんな学問?
環境科学とはどんな学問?
環境科学と他の学問とのかかわり
環境科学では何をどのように学ぶか
環境科学はこんな人に向いている
環境科学を学んだ後の進路と今後の展望
環境科学の先生に聞く
環境科学ではこんな研究をしています
環境科学のここが面白い
もっと先生たちに聞いてみよう
人と動物がともに幸せに暮らせる社会を考え、実践する先生
川口短期大学 ビジネス実務学科
小島 望教授(ビジネス実務学科 学科長)
環境DNAから自然が抱える課題を見つけ、解決法を探る先生
武庫川女子大学 環境共生学部環境共生学科
村田 成範 教授
世界の森林火災を人工衛星の目で調査する先生
日本大学 生物資源科学部
串田 圭司 教授
環境科学の学生に聞く
もっと在校生たちに聞いてみよう
キーワードは食。将来は品質管理や、食を取り巻く環境改善などに取り組みたいです。
東京家政大学 家政学部 環境教育学科(2024年4月より環境共生学科に名称変更予定)
N.H.さん
自身の好奇心を追求し、環境に貢献する道を見つけたい!
秋田県立大学 生物資源科学部 生物環境科学科
南 千春さん
科学と幅広い視点から「食」を研究。企業との商品開発にもチャレンジ
神戸女学院大学 人間科学部 環境・バイオサイエンス学科 ※2025年4月より生命環境学部 生命環境学科(仮称・設置構想中)
Sさん
もっと卒業生たちに聞いてみよう
自分の設計で設置された電柱を見て、街づくりへの関わり、社会貢献を実感しています!
東京家政大学
家政学部 環境教育学科(旧学科 ※2024年4月より環境共生学科に名称変更)
大学で学んだ幅広い知識は、就職の選択肢も広がり、仕事にも生きています!
酪農学園大学
農食環境学群 循環農学類卒
地域をもっと元気に。業務の傍ら中山間地域の地域おこし事業にも取り組んでいます
広島修道大学
人間環境学部人間環境学科 卒