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診療放射線技師の1年目はどうだった?

診療放射線技師の1年目はどうだった?

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診療放射線技師は、病院に勤務し、さまざまな医療機器(装置)を操作して画像検査を行う職業です。病気の早期発見や診断・治療のためには正確な検査が必要不可欠なため、診療放射線技師の業務は重要です。診療放射線技師として働く場合、一年めはどのようにして仕事を覚えていくのでしょうか。診療放射線技師が実務で扱う装置と、一年めの仕事内容について、詳しく教えてもらいました。

診療放射線技師が仕事で扱う機械

診療放射線技師が仕事で扱う機械

一年めの診療放射線技師は、さまざまな検査の流れを覚え、職場環境に慣れることが大切です。新人は、まず一般X線検査やCT検査など、頻度が多い検査から覚えていきます。診療放射線技師がかかわる検査には、以下のようなものがあります。
一般X線検査(レントゲン)
X線を用いた検査で、レントゲン撮影とも呼ばれています。胸部や骨の撮影などによく用いられます。X線を通す肺などは黒く写り、骨などは白く写ります。
CT検査
正式名称はコンピュータ断層撮影法。体の断面の画像や、内臓や血管、頭部などの3D画像を撮影することができます。体の内部の様子をさまざまな角度から見ることで、一般X線検査ではわからない病気を発見することができます。比較的短時間で撮影できるため、事故などで緊急搬送された患者さんの容態の把握にも使われます。
MRI検査
人体に含まれる水素原子が強い磁場に引き寄せられる性質を利用して画像を撮影します。人体のあらゆる方角の断面を撮影することができます。脳や血管など、軟らかい組織を撮影するのに適しており、MRIでしか見えないものも多くあります。被ばくがないので、婦人科系の検査にも使われます。
血管撮影
造影剤を直接血管に流し込んで影を作り、血管の形や血液の流れを撮影します。脳や心臓をはじめ、全身の疾患の治療に役立つ重要な検査です。体の状態を把握するだけでなく、破れてしまった血管を修復したり、血管の詰まりを解消したりするなど、治療にも活用されています。
核医学検査
調べたい臓器に集まる特性をもつ微量の放射性医薬品を投与し、体内の放射性医薬品から出てくる放射線をガンマカメラという装置で撮影します。臓器の形だけでなく、臓器の働きについて調べることができます。代表的なものに、ラジオアイソトープ検査やPET検査があります。
放射線治療
主にがんの治療に使われます。高エネルギーX線や電子線、粒子線を病巣にあて、体を傷つけることなく治療することができます。周囲の組織を傷つけないよう、放射線をあてる場所や範囲、出力を念密に計画し、照射するときも細心の注意を払います。

病院勤務の診療放射線技師が一年めに覚える業務

学校を卒業して診療放射線技師の国家試験に合格した後は、初めは病院に就職することがほとんどだと思います。
養成機関では、検査の方法やどのような画像が撮影できるかを主に座学で学びますが、短期間の病院実習以外で検査の過程を知る機会はほとんどありません。まずは診療放射線技師が扱う装置それぞれの操作方法を覚えることが大切です。検査に応じて説明し、うまく撮影できるように患者さんの体をポジショニングし、撮影し、もしうまく撮れなかった場合には再撮影する…といった一連の検査の流れを覚えます。
病院で働く診療放射線技師には、一人ひとりの患者さんに合わせた説明が求められます。なかには、自分で動くことができない人や、痛みが強くて動けない人、心に病を抱える人、時には一分一秒を争う容態で運ばれてくる人もいます。
また、子どもなど、検査で何をするのかがわからず嫌がる人もいますし、保護者など付き添いの方に説明することもあります。患者さん一人ひとりが安心して検査を受けてもらえるように、説明のしかたを工夫することが大切です。
また、病院では、医師や看護師など、業務内容の異なるスタッフがたくさんいます。連携して仕事を進めるためには、他職種のスタッフとの良好な人間関係を築くことが大切です。
成長のためには、先輩技師の検査の進め方をよく観察して、気をつけるべきポイントを積極的に質問しましょう。自分が検査を行うときにスムーズに進められるように、学生時代に得た知識と仕事をしながら得た経験を繋ぎ合わせ、さまざまな技術を習得していきます。
医療は日々進歩しているので、検査のしかたばかりを覚えるのではなく、時代に合わせた画像診断や治療方法の進歩も敏感にとらえる必要があります。キャリアアップのためには、積極的に学会や研究会に足を運んで新しい知識を得るクセを身に着けておくことも大切です。
一年めの診療放射線技師は、覚えることがたくさんあります。もちろんミスもするでしょうが、なぜミスをしたのか、どうやったらもっとうまく検査ができるのかを常に考えて検査に臨む姿勢を身につける一年になると思います。

取材協力

菅谷正範(診療放射線技師)

千葉県出身。高校生の頃、医療系の仕事に興味をもち、得意分野の物理や生物の知識を生かせそうな診療放射線技師を目指し専門学校へ進学。2006年に診療放射線技師の資格を取得し、日本医科大学付属病院に就職。その後、第一種放射線放射線取扱主任者や各種認定資格を取得しながら日々の業務に励んでいる。

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