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保育士のキャリアパス

保育士のキャリアパス

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保育所の現場責任者として、保育士のトップに立つ“園長(所長)”。その姿を見たことはあっても、どんな仕事をしているのかはよくわからなかったりしますよね。
「園長は、毎日どんな仕事をしているの?」「どうしたらなれるの?」「どんな人に適性があるの?」今回は、それらの疑問に迫ってみたいと思います。

園長の役割

・園の安全管理と衛生管理
園長には、現場の責任者として「園児と職員の安全」を守る使命があります。
多くの子どもを預かる保育所では、保護者に代わって子どもたちの身の安全を確保しなくてはなりません。「施設内に危険な場所はないか?」と隅々にまで目を配り、子どもがケガをしそうな危険物があれば撤去し、古くなった設備には補修対応を指示するなど、園長自ら細やかな配慮が欠かせません。また、保育士が子どもを見守る体制がきちんと機能しているかのチェックや、食中毒や感染症予防などへの対策も先頭に立っておこないます。危機管理能力と、必要なことを瞬時に判断する力が必要になると言えるでしょう。
また最近では、子どもを犯罪から守るための対策も重要になっています。例えば、お迎えの際に保護者以外の人物に子どもを渡すことのないよう、保護者であることを確認するフローを取り入れるなどの工夫が求められています。

・園の経営、資金管理
児童福祉法に基づいて設置される認可保育所では、国や自治体からの補助金が出ており、補助金と各家庭から徴収する保育料を合わせた運営資金で経営を行っています。
保育士の人件費、遊具や設備の整備、備品の購入などすべてがここから賄われることになるため、運営資金を何にどれだけ使うかを考えることは、園の健全な経営と理想的な保育環境づくりにとって重要です。ちなみに、公立保育所に勤務する保育士は公務員となり市町村ごとに給与体系が決まっていますが、私立保育所の場合はそれぞれの園に裁量があり、園長が保育士の給与を決めます。
また、どんなふうに補助金を使ったのかの報告書や、検食日誌と呼ばれる給食の味や鮮度を記録したものなど、国や自治体に提出する書類を作成することも園長にしかできない仕事です。

・保育士の育成指導と管理
保育士を採用し、園が掲げる保育を実行できる人材に育てることも、理想の保育所をつくるのに欠かせないことです。「保育への情熱があるか」「責任感をもって仕事をしてくれるか」「周囲との協調性はありそうか」など、保育士への適性を見抜く目がここで試されます。採用後は勤務の様子を見守りながら必要に応じてアドバイスをし、時には厳しく指導をすることもあります。
新人保育士とは保育士としてどうキャリアを積んでいくのかを話し合ったり、子どものいる保育士からは家庭と仕事の両立について相談を受けたりと、保育士一人ひとりが働きやすく、自己実現できる職場づくりをめざしていくことも、管理者として園長に期待される役割の一つです。

・クレーム対応
保育所には、保護者からはもちろん、「お迎え時の迷惑駐車が多い」など、地域住民からも苦情が入ることがあります。保護者とも地域とも良好な関係を築いていくことが円滑な園の運営には欠かせませんので、責任者としてどんな意見にも真摯に耳を傾けなくてはなりません。時には理不尽な主張や要求をされることもありますが、できる限り相手の意思を尊重し、問題解決に向けて適切な落としどころを模索します。

・保護者の支援
保育所は園児のための施設であるとともに、保護者のための施設でもあります。保育所に子どもを預ける保護者は、共働きの家庭のほかにも、シングルマザーやシングルファザーであったり、病気や障がいで子どもの面倒を十分に見られなかったりと、さまざまな事情を抱えています。その事情に寄り添い、悩みを聞いたり、子どもとの接し方をアドバイスしたりするのも、保育のプロである保育士と園長の重要な役割です。そのため多くの園長は、朝夕の送り迎えの場に自ら顔を出し、保護者と直接コミュニケーションする時間をとても大切に考えています。

そのほか、園だよりなどの配布物のチェック、職員会議の司会・進行、見学や入園相談への対応、入園説明会の実施、他園や地域との交流、園長会議や各種研修への参加など、園長の仕事は多岐にわたります。


園長になるには

園長のなり方は、保育所のタイプによって違いがあります。
まず、保育所には大きく分けて「公立」「私立」の2種類があります。私立保育所は、社会福祉法人、学校法人、宗教法人、株式会社、NPO法人など運営母体によってさらに細分化できます。

公立保育所の園長になるには、保育士として10年ほど経験を積んだ後に主任保育士になり、さらに園長へとステップアップする流れが一般的です。主任、園長いずれも昇任試験をパスすることがその条件です。
一方、私立保育所の園長になる方法は園によりけりです。家族・親族経営をしている園では世襲のケースが多いですし、そうでない場合は、経営者(オーナー)や役員会から指名を受けたり、他の園からヘッドハンティングをしたりとさまざまです。
最近では、保育所経営に乗り出す企業が増えており、社員の中から園長候補を見つけたり、園長職で公募をかけたりといったケースもあります。
保育サービスの拡充&保育所の増設という時代の流れと共に、園長ポストのニーズは増え、役割の重要性も高まっています。保護者・地域住民・行政とコミュニケーションを欠かさず、現場の様子を常に把握し、さらには事務作業もこなさなくてはならない園長の毎日は非常に多忙ですが、理想とする保育をカタチにできる夢にあふれた仕事でもあります。

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