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臨床心理士と似ている仕事との違いは?

臨床心理士と似ている仕事との違いは?

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臨床心理士によく似ている職業として『ソーシャルワーカー』が挙げられます。さまざまな相談に対応する点では同じようですが、実は大きな違いがあります。それは具体的にどんなところなのでしょうか。臨床心理士とソーシャルワーカーの違いについて見てみましょう。

ソーシャルワーカーと臨床心理士の違い

ソーシャルワーカーは日常生活を送るうえで、支援が必要な人のためにさまざまなサポートをする職業です。制度に対する各種の手続きを行うだけでなく、病気やケガ、障害などで悩みや不安を抱える人やその家族などの社会的に支援が必要な人の相談に乗り、具体的に解決するために動く人を言います。臨床心理士は基本的に学校の外に出てはいけないので、学校ではソーシャルワーカーが不登校の人の面接に行くことがあります。
ソーシャルワーカーの活躍の場としては、病院などの医療機関、学校などの教育機関、行政機関、民間企業などのさまざまなところがあり、臨床心理士とよく似た領域が多いと言えます。
 臨床心理士とソーシャルワーカーの大きな違いは、問題解決に至るサポートの方法とその内容の深さです。ソーシャルワーカーは具体的なことがメインで、書類の手続きや話を聞くこと、一緒に散歩をするなどの行動により援助をすることになります。一方、臨床心理士は一緒に散歩をするという行動ではなく、心の問題を解決するための根本についてサポートすることが仕事であり、よりクライアントの深い心に向き合うことになります。
 例えば「何かをしようと思ったのにできない」という場合、ソーシャルワーカーは「工夫してみたらどうか」とか「一緒にやってあげよう」などとアドバイスをしたり、行動を共にしたりします。アドバイスも大切ですが、「なぜできないのか」という悩みや症状の根本的な原因については臨床心理士でないとわからないのです。
 ソーシャルワーカーはある程度、相手を元気にする術を現実的にもっていますが、臨床心理士とはその方法が違います。自分が気づいていないイメージや気持ちを考え、心の問題を客観的に評価することで、解決への案内を行うのが臨床心理士です。
 ソーシャルワーカーとして働く人のなかには、臨床心理士の資格をもっている人がいます。臨床心理士は非常勤の仕事が多いので、一つの職場の仕事で生活できるほどの収入がないのが実状です。そのため、スクールカウンセラーや医療機関など複数の職場で掛け持ちをして経験を積む人が多くなっています。病院の正社員になってソーシャルワーカーとして働きつつ臨床心理士の仕事を請け負う、というパターンは、収入面を大切にしたい男性に多く見受けられます。

取材協力先 松田 正子

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