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火の鳥 1
手塚治虫/著

手塚治虫が人類に遺した予言の書

火の鳥の血を飲めば永遠の命が得られる。これをめぐって古代から超未来まで人類は争う。「でも今度こそ」と火の鳥は思う。「今度こそ信じたい」「今度の人間こそきっとどこかで間違いに気がついて……」と願うのだ。真の文明は何を目指すべきなのか。手塚治虫の遺言を噛みしめてほしい。

「文明ってなんだ?」の他の本

ゼロから文明を再起動する方法
この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた
月の住人・チャーリーの正体
星を継ぐもの 1

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