高校生の2.5人に1人が「受かると思っていた併願校」に落ちていた!? 先輩たちが大学受験でやっちゃった5つのNGポイントを紹介

1月になれば大学受験もいよいよ本番。
 
本命校や併願校はもう決まったかな?
 
併願校といえば、本命校のすべり止めとして考えたり、本命校と同じくらい行きたい学校だったり、受験する数も選ぶ基準も人それぞれ。
 
しかし、先輩たちの4割(2.5人に1人)が「受かる」と思っていた併願校に落ちていることが判明!
 
その原因のほとんどは「出願」で失敗しているから。
 
そこで、先輩に聞いた出願&受験の成功・失敗談をもとに、併願校を選ぶ際に覚えておきたい5つのポイントを紹介しよう。
 


 

 

併願校は計画的な入試方法選びが結果を左右する

【失敗】無計画な併願校選びで対策不足に

行きたいのは「本命校」。
 
かといって併願校選びや併願校対策はやはり大事。
 
併願校を単に受験難易度や、受験科目だけで選んでしまうと、落ちると思っていなかった大学に落ちてしまって、「そんなはずじゃなかった!」と心を乱されるケースがある。
 
先輩100人に聞いた出願&受験の成功・失敗談をもとに、併願校を選ぶ際に覚えておきたい5つのポイントを紹介

※無計画な併願校選びで失敗

 
併願校選びの計画不足が理由で失敗してしまった先輩たちは、

「出題傾向のチェック不足で後悔。入試問題の傾向の把握が足りなかった」(工学系志望、4校受験/うち2校合格)
 
「科目の確認不足でタイムロス。国立後期は数学しか必要ないことを知らず、勉強時間をロスしてしまった」(工学系志望、3校受験/すべて合格)
 
「十分に試験のことを調べないまま受験してしまった」(理・工学系志望、4校受験/うち1校合格)

といったように、出題傾向のチェック不足や科目の確認不足、試験内容を調べきれず、あとになって試験や試験対策に追われたケースが多いようだ。
 

【成功】計画を立てて併願校を選び効率的に対策

一方、併願校を計画的に選ぶことで試験に合格した先輩は、

「学校別対策は第一志望のみ。第一志望に集中するため、すべり止めはセンター利用で出願した」(観光学系、2校受験/すべて合格)
 
「科目重視で併願校を決定。併願校は得意な数学を利用できる大学を中心に選んだ」(経済・商学系受験、4校受験/うち2校合格)

といったように、学校別対策を第一志望のみに絞ったり、科目重視で併願校を決定したりしたようだ。
 
成功した例ではほかにも、

「出題範囲に注目!併願校対策に時間を割きたくなかったので、志望校と出題範囲が同じ大学にこだわって出願した」(理・工学系志望、3校受験/すべて合格)
 
「配点でリスクを分散!私立大学2校でセンター入試を利用。合格のボーダーラインはほぼ同じだが、国語と英語の配点割合が違い、リスクの分散になった」(法・経済学系志望、5校受験/すべて合格)

など、出題範囲や配点割合にしっかりと着目して、勉強時間の効率化やリスクを分散するなどで、計画的に併願校の合格を勝ち取っている。
 
先輩100人に聞いた出願&受験の成功・失敗談をもとに、併願校を選ぶ際に覚えておきたい5つのポイントを紹介

※計画を立てて併願校を選び成功

 
ここでポイントとなるのは、「入試方式の特徴」を分析すること。
 
日程はもちろんだが、試験科目、配点バランス、試験の形式などが近ければ、個別の対策を最低限に抑えて、本命校と併願校両方の試験対策ができる。
 
一方、同じ大学・学部でも日程や受験方法によって、科目や配点が異なるケースもある。
 
受験勉強になるべく手をつけたいところだが、効率よく勉強を進めるためにも、事前の計画はしっかり考えよう。
 

自分の実力を見極めるのが併願校合格の肝!

【失敗】併願校を高望みしすぎて不合格に

併願校といっても、行きたいと思える大学しか受けなかったり、上位校だけを受験してしまったりという「高望み」タイプの失敗も多い。
 
失敗例でいうと、

「願望から抜け出せず。行ければいいなという理由で受験したので、いまいち本腰を入れられなかった」(スポーツ学系志望、2校受験/うち1校合格)
 
「知名度重視で失敗。難易度をあまり考えず、単純に知名度のある大学に出願してしまった」(文学系志望、6校受験/うち2校合格)
 
「運試し出願はNG。実際の学力より高いところに、運試しのような出願をしてしまったが、やはり力不足だった」(経済学系志望、3校受験/うち2校合格)

といった声があった。
 

【成功】実力にあった併願校に出願して確実に合格

併願校受験に成功した先輩は、

「本命に打ち込むために手堅く。しっかり1校合格しておくことで、国立の勉強にしっかり打ち込めた」(理・工学系志望、5校受験/うち2校合格)
 
「確実性重視の出願。どうしても浪人を避けたかったので、1校を除いて安全圏に出願した」(経済・法・文学系志望、3校受験/うち2校合格)
 
「安全圏の学校に出願することで、プレッシャーを抑えられた」(理・工学系志望、6校受験/うち3校合格)

といったように「合格」カードを手に入れることで、かえって本命校に集中できたというケースや、

「自分の得意不得意をはっきり見極め、実力に見合った出願を心掛けた」(文・経済・商学系志望、4校受講し3校合格)
 
「余裕を持って入試本番へ。実力相応の出願をすることで、気持ちに余裕を持って試験に臨めた」(家政系志望、3校受験/すべて合格)

といったように、しっかりと自分の実力にあった併願校を押さえておくことで、安心して第一志望の受験に臨めたという声があった。
 
先輩100人に聞いた出願&受験の成功・失敗談をもとに、併願校を選ぶ際に覚えておきたい5つのポイントを紹介

※実力にあった併願校に出願して成功

 
たしかに、進学する気持ちが向かない大学をあまり受ける気にならないかもしれない。
 
けれども、「合格」という結果を得ておくことで、かえって本命に集中できるケースや、実力以上の出願は「挑戦」と置くことで、本命との力加減を調整するなど、戦略を立ててレベルを設定するのが成功の鍵だ。
 
ちなみに、大学の難易度を表す指標の1つが偏差値だが、それだけを見て出願先を決めるのはちょっと危険。
 
気になる人は偏差値のしくみや偏差値だけに頼らない併願校選びの記事を見てみよう。

ギリギリの併願校出願は危険!

【失敗】併願校の決断を先延ばしにして後悔

併願校の選択を先延ばしにするのもNG。
 
準備や対策がとれなかったため後悔したという先輩が多かった。
 
先延ばしによって失敗したケースでは、

「第一志望に落ちてから併願校を決めたため、準備期間が短く後悔した」(教育学系志望、3校受験/うち1校合格)
 
「学校別対策が間に合わず。決めるのが遅かったために、学校独自の出題に対する対策が不十分だった」(文学系志望、3校受験/うち2校合格)
 
「ずっと国立のことばかり考えていたので、最後まで私立を真剣に考えられなかった」(文学・図書館学系志望、5校受験/うち4校合格)
 
「出願直前に考え始めたので安全圏を狙ったが、もっと上を狙えたのではないかと後悔している」(教育学系志望、3校受験/うち2校合格)

など、併願校の選択や、準備が遅くなったため、本来なら合格したかもしれないのに、失敗してしまったという先輩が多い。
 
先輩100人に聞いた出願&受験の成功・失敗談をもとに、併願校を選ぶ際に覚えておきたい5つのポイントを紹介

※併願校の決断を先延ばしにして失敗

 

【成功】早めに併願校を決断して無理なく準備

逆に、合格した先輩の決断タイミングを見ると、

「第一希望を決めるのと同時に併願校も決定し、余裕を持って準備できた」(農・環境学系志望、3校受験/うち2校合格)
 
「早めの決断で全校合格!対策を早くしたかったので、併願校も高校3年生の9月ごろには決めた」(経済学系志望、3校受験/すべて合格)

など、第一志望と同時に決断した、あるいは準備期間をしっかりとるために早めに決めた先輩が多い。
 
それによって、

「早めに受験校を決めていたことで過去問の研究を深められた」(経済学系志望、5校受験/うち3校合格)
 
「時間の余裕を作れたので、無理せずマイペースに勉強を進められた」(工学系志望、2校受験/うち1校合格)

と、しっかり準備に時間がとれ、無理ない準備ができるようだ。
 
成績の伸びや志望校の結果を待って併願校を決めようとする人も多いが、それでは対策時間や出願準備に余裕がなくなってしまう。
 
併願校の決断もなるべく早くして、十分な時間と心のゆとりを確保しよう。
 

併願校は出願するほどムダが増える!?

【失敗】併願校を増やしすぎて手一杯に

「合格できるかな」と不安になり、ついつい併願校を増やして、結果どれも不合格、というケースも陥りがちな失敗例だ。
 
たとえば、5校以上出願したことで失敗してしまった先輩は、

「学校別対策をしきれなかったので、もっと受験校数を絞ればよかったと後悔している」(心理学系志望、5校受験/うち1校合格)
 
「受験校数が多いことでスケジュールがきつくなってしまった」(人文学系志望、5校受験/うち1校合格)

といった声が。
 
さらには10校以上併願したという先輩もいて、

「『数撃ちゃ当たる』は通じない。たくさん(10校)出願したが、過去問をやり切れず結局2校しか合格できなかった」(薬・生物学系志望、10校受験/うち2校合格)
 
「13校分の願書の記入が思いのほか大変で、時間をムダにとられてしまった」(文・法学系志望、13校受験/うち7校合格)

と、勉強だけでなく、書類の準備などにも時間や手がとられてしまったという声もあった。
 
先輩100人に聞いた出願&受験の成功・失敗談をもとに、併願校を選ぶ際に覚えておきたい5つのポイントを紹介

※併願校を増やしすぎて失敗

 

【成功】併願校をある程度絞り込んで着実に合格

成功した先輩のほとんどは、2校~3校に絞っており、

「志望度が高い学校のみ!本当に行きたいところだけを受けることでモチベーションの維持につながった」(理・薬学系志望、3校受験/うち2校合格)
 
「たくさん受けても体力的・精神的に疲れてしまうと考え数を絞り、実際余裕を持って受験できた」(法学系志望、4校受験/うち2校合格)

 
と、志望度が高い学校のみに的を絞ったり、体力・精神力を考慮したりすることで、モチベーションの維持や、気持ちの余裕を生む、いい結果を得ていた。
 
ほかにも、併願校を絞ることで、

「第一志望と出願傾向が似ている学校に出願、集中して勉強した」(教育学系志望、3校受験/すべて合格)
 
「勉強面も費用面も二度おいしい!本命に集中でき、出願費用も抑えられ、得をしたと思う」(工学系、3校受験/うち2校合格)

など、本命を含めた勉強の効率や費用の面でもメリットがあるようだ。
 
たくさん出願すると合格数が増えるというよりも、かえって「時間」「受験費用」「体力」をムダにしてしまうため、逆効果になりやすいようだ。
 
ちなみに、第2志望までに合格した先輩たちの平均出願数は3.9校、合格できなかった先輩は5校と、出願数が明暗を分けている。
 
二次試験対策をしきれる量を考慮して出願数を考えよう。
 

併願校受験はとにかく過去問が鍵を握る!

【失敗】併願校対策をせず本命一直線で対策不足

本命に時間も体力も集中しすぎたことで、併願校の過去問対策ができなかったケース。
 
これも典型的なNG例だ。
 
失敗したケースを見てみると、

「国立と私立の違いに苦戦。第一志望の国立に合わせた対策では、私立は対応しきれなかった」(商・経済学系志望、6校受験/うち3校合格)
 
「センター対策不足で点がとれなかったのが、複数の受験に響いてしまった」(農・獣医学系志望、5校受験/うち2校合格)
 
「本番では予想以上に難易度の高い問題が多く、対策不足だったと感じた」(法・商学系志望、4校受験/うち1校合格)

など、本命とは異なる傾向の試験の対策ができずに不合格となり、併願した意味がなくなってしまうケースや、本命の受験科目のなかでも偏りができて、それがほかの試験に悪影響となってしまうケースがあった。
 
先輩100人に聞いた出願&受験の成功・失敗談をもとに、併願校を選ぶ際に覚えておきたい5つのポイントを紹介

※併願校対策をせず本命一直線で失敗

 

【成功】併願校の過去問も対策してしっかり合格

成功した先輩は、

「第一志望の対策にもなるからと、併願校の過去問もきちんとやっていたのがよかった」(教養・文学系志望、5校受験/うち3校合格)
 
「私立は無料で過去問がもらえたので、利用してしっかり対策できた」(経済学系志望、5校受験/うち3校合格)

など、併願校向けの勉強も本命の対策につなげたケースや、効率的に対策を行ったという声があった。
 
どうしても、第一志望に集中したい気持ちはわかるが、かといって併願校対策をおろそかにしてしまって不合格となってしまうと、そもそも併願した意味がなくなってしまう。
 
併願校対策も本命校対策につながるという気持ちで望むのがよさそう。
 
なお、併願校に限らず効率的な勉強法として共通して挙げられていたのが、過去問題対策

「過去問で対策していたところが本番でも出題され、解くことができた」(人文社会科学系志望、2校受験/すべて合格)
 
「とにかくたくさんの過去問を解いたことが、試験本番での安心感につながった」(教育学系志望、2校受験/すべて合格)

受験する大学の「過去問」にどれだけ取り組み、学校ごとの出題傾向をつかむことができるかどうかが、明暗を分ける鍵といえそうだ。
 

併願校もしっかり対策しよう!

これまで見てきた成功例を見てみると、併願校を単に「すべり止め」としておろそかにせず、しっかり受験校選びや試験対策を行うことで、本命校対策にもいい影響があるようだ。
 
先輩100人に聞いた出願&受験の成功・失敗談をもとに、併願校を選ぶ際に覚えておきたい5つのポイントを紹介

※併願校もしっかり対策して合格をつかみ取ろう!

 
自分が「無計画」「高望み」「先延ばし」「出願しすぎ」「本命一直線」の5つのNGパターンに当てはまっていないかを確認した上で、戦略的に受験対策を行おう。
 
※アンケート実施日:2018年7月、対象:現役大学生533名
※この記事は2018年発行の『スタディサプリ進路 入試・出願特集号』をもとにしたものです。
 
 
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