英語・語学を活かせる仕事とは?グローバル化でニーズ拡大!外国語を使う仕事17選

企業活動や人・技術の交流がグローバル化するなかで、その役割がより重要になっている、英語・語学を活かせる仕事。

音楽や映画などの海外カルチャー、海外旅行や留学の経験を通して、英語・語学を活かせる仕事に興味をもった高校生も少なくないはず。

最近では英語だけでなくアジア系の言語などもニーズがあり、活躍の場が広がる語学のスペシャリストの仕事について、詳しく掘り下げていこう!

語学(英語・外国語)を活かせる仕事とは?

語学(英語・外国語)を活かせる仕事は、日本と海外の国々の架け橋となり、人・文化・情報の交流に直接かかわることができるダイナミックでやりがいのある仕事。

英語はもちろん、中国語、韓国語、フランス語などさまざまな言語にニーズがあり、最近では東南アジアなどの言語も注目されている。

「翻訳する」「通訳する」「教える」の3つの切り口から、それぞれどんな仕事があるのかを解説しよう。

翻訳する、通訳する仕事

翻訳する、通訳する仕事
翻訳とは、さまざまなジャンルの外国語を日本語に置き換えて表現する仕事。

小説・雑誌・歌詞などの文芸作品を翻訳する「文芸翻訳」、映画・ドラマ・ドキュメンタリー番組などを翻訳して字幕をつける「映像翻訳」、契約書や製品マニュアル、企業や研究者が利用する文書を翻訳する「実務翻訳」の大きく3つのジャンルがある。

通訳とは、国際会議やシンポジウム、商談やプレゼンテーションなどのビジネスシーンで、講演者・出席者の話を通訳し、言語面でのサポートを行う仕事。

話す人に合わせてほぼタイムラグなく通訳する「同時通訳」と、話者と通訳が交互に発言する形で、ある程度まとまった文章を通訳する「逐次通訳」がある。

また、観光・ビジネスで来日した外国人に付き添い、旅行先・訪問先を外国語で案内する通訳ガイドの仕事もある。

1.出版翻訳者

出版翻訳者とは、海外の雑誌や書籍などの翻訳を行う仕事。

ファッション誌や小説などの一般読者向けのものから、専門誌・専門書まで対象となるジャンルは幅広い。

小説や論文は日本語を外国語に翻訳することもあるが、比率としては外国語を日本語に翻訳する機会が多く、日本語の文章力も重要となる。

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2.映像翻訳者

映像翻訳者とは、劇場用映画・テレビ番組・DVDなどの映像メディアの翻訳を行う仕事。

映画やドラマだけでなくニュースやスポーツ番組など扱うジャンルは多様で、字幕翻訳と吹替翻訳がある。

字幕は「1秒=4文字」のルールがあり、同じセリフを翻訳する場合でも、吹替よりも簡潔な文章にまとめる難しさがある。

3.翻訳コーディネーター

翻訳コーディネーターとは、依頼者へのヒアリング、翻訳者の選定、納期までのスケジュールや予算管理、品質管理など、翻訳業務のマネジメント全般を担う仕事。

希望する文体や専門用語の訳し方などを依頼主と相談し、案件に合った適切な翻訳者を選定する部分から関わる、依頼者と翻訳者の橋渡し役的な存在だ。

翻訳や校正(チェック)は専門の方に依頼するため、コーディネーター自身の語学力は必須ではなく、それ以上に調整力やコミュニケーション能力が重要となる。

翻訳会社の他、通訳会社にも同様の職種がある。

4.産業翻訳者

産業翻訳者とは、契約書、製品マニュアル、特許・新薬の申請用書類などビジネス関連の翻訳を行う仕事。
 
特許翻訳、医薬翻訳、金融翻訳など専門分野はさらに細分化されている。
 
出版・映像の翻訳と比べて仕事の数は圧倒的に多く、大学などで学んだ理系の知識も武器になる。

5.翻訳・通訳アプリ開発者

翻訳・通訳アプリ開発者とは、スマホやパソコンで使う翻訳・通訳アプリ(ソフト)を開発する仕事。

スマホのカメラをメニューや看板にかざすだけで100か国以上もの言語に置き換えてくれる海外旅行に役立つAR翻訳アプリや、マイクに喋るとそのままリアルタイムで翻訳してくれるアプリも登場するなど、技術は日々進化中。

今後は人工知能(AI)の発達で、どこまで人による翻訳・通訳と変わらないレベルに近づいていけるかがカギに。

6.ビジネス通訳者

ビジネス通訳者とは、商談やプレゼンテーションなどのビジネスシーンで通訳を行う仕事。

話者と通訳が交互に発言をするスタイルで、ある程度の長さの発言をひととおり聞いてから翻訳する「逐次通訳」が一般的。

社内に専任の通訳を置く場合もあるが、必要なときだけ通訳会社から派遣してもらうケースが多い。
ビジネス通訳者
※ビジネス通訳者はグローバルビジネスになくてはならない存在だ

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7.会議通訳者

会議通訳者とは、国際会議やシンポジウムなどで、出席者や講演者の話を通訳する仕事。

専用のブースで話者の発言を聞き取り、タイムラグがほぼない「同時通訳」で、イヤホンを通して出席者に発言内容を伝える。

「聞く」「訳す」をほぼ同時に行うため高度な語学力と集中力が求められ、通訳の仕事のなかでも難易度が高い。

8.スポーツ通訳者

スポーツ通訳者とは、スポーツチームや選手個人と契約を結び、練習や試合時、取材時などに通訳を行う仕事。

監督・コーチの指示やミーティング内容を伝える他、選手同士のコミュニケーション、試合後のヒーローインタビューやメディア取材など、さまざまなシーンでスポーツ通訳の出番がある。

また、日常生活のサポートを行ったり、移籍時の交渉の場にも同席したりするなど、異国の地で活躍するスポーツ選手を家族のように支える存在だ。

9.通訳ガイド

通訳ガイドとは、観光やビジネスで来日した外国人に付き添い、旅行先や訪問先を外国語で案内する仕事。

旅行会社や通訳会社に登録してガイドの依頼を受けるケースが多く、通訳ガイドとして仕事をするには国家資格の「通訳案内士」の取得が必須となる。

全国通訳案内士試験は、英語・中国語・韓国語など10か国語で受験でき、外国語・通訳案内の実務に関する知識、日本の地理・歴史や一般常識について問われる筆記試験、さらに口述試験がある。

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10.コミュニティ通訳者

コミュニティ通訳者とは、日本語をうまく話せない外国人が日本で暮らしていくのに必要な手続き・サービスを受けられるよう、役所・病院・警察・裁判所などで間に入って通訳を行う仕事。

日本では外国語対応ができる機関はまだまだ少なく、特にアジア系言語など英語以外の言語は人材が限られているため、社会的なニーズの高い領域だ。

語学力に加えて、医療・法律などの専門知識も必要となる。

語学(英語・外国語)を教える仕事

語学(英語・外国語)を教える仕事
語学(英語・外国語)を教える仕事には、小学校・中学校・高校・英会話スクールなどで英語を教える教員や講師、大学・短大・専門学校でさまざまな言語を教える語学講師、外国人に日本語を教える日本語教師などがある。

小学校・中学校・高校で教員として英語を教える場合は、教員免許状を取得し、教員採用試験に合格する必要がある。

11.英語教諭

英語教諭とは、中学校や高校の教員として生徒に英語を教える仕事。

大学の英語系学科で教職課程を履修して卒業すれば、中学校・高校教諭の一種免許状(外国語(英語))が取得でき、短大では中学校教諭の二種免許状(外国語(英語))が取得可能。

公立学校の英語教諭として勤務する場合は、免許状取得に加えて、自治体ごとに行われる教員採用試験に合格しなくてはならない。

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12.小学校英語講師

小学校英語講師とは、小学校で子どもたちに英語の指導を行う仕事。

2020年から小学校でも英語が外国語活動(3~4年生)と外国語の教科(5~6年生)として必修化されたが、英語の指導実績のない教員も多いため、外国人のALTや外部の日本人講師が小学校英語講師として活躍している。

教員資格を有していなくても教壇に立つことができるよう英語の専門的な知識・経験を持っている人に授与される小学校教諭特別免許状(外国語(英語))の他、小学校での英語教育の促進・指導者の養成を目的とした小学校英語指導者(J-SHINE)という民間資格もある。

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13.英会話スクール講師

英会話スクール講師とは、街の英会話スクールやオンラインスクールで英語を教える仕事。

英語を教える対象は、子どもからビジネスパーソン、シニア世代まで幅広い。

スクールにもよるが、英会話スクール講師として採用されるには一般的に英検(R)準1級以上、TOEIC(R)テスト850点以上程度の英語力が求められ、留学経験などを問われることも多い。
実用英語技能検定(英検(R))とは
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年間受験者数366万人を誇る定番資格。

「話す」「書く」も含めた総合力を判定する。

筆記試験に加え、級に応じて英作文や面接あり。総合的に英語力を測定し、社会的評価は高い。

グレードは1~5級まで7つ。大学入試の優遇対象や、海外の大学の入学条件として認められている。

※英検(R)は公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

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TOEIC(R)とは
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英語でのコミュニケーション能力をスコアで評価。企業からの信頼も厚いテスト。

世界約160カ国で行われている、英語でのコミュニケーション能力を評価する世界共通のテスト。

結果は合格か不合格かではなく、10~990点のスコアで表示されるので、現時点での実力が把握できる。

新入社員の英語力をはかったり、海外に出張する人を選んだり、昇進・昇格の条件にしたりするなど、スコアを利用する企業も多い。

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TOEIC(R)について詳しく知る
※英会話スクール講師には、英検(R)やTOEIC(R)などの英語力が求められる

14.語学講師

語学教師とは、大学・短大・専門学校などの授業で語学を専門に教える仕事。

英語のニーズが高いが、中国語、韓国語、フランス語、ドイツ語などを教える日本人の講師もいる。

講師として採用されるには、ネイティブに近い会話力や大学院修士の学位、留学経験などが求められることが多い。

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15.言語学者

言語学者とは、言語の成り立ちや特徴などを科学的に研究する仕事。

大学の文学部、言語学系の研究機関などで言語の研究や教育に携わる。

複数の言語を比較して共通点や違いを探る比較言語学、言語の歴史的な変化を研究する歴史言語学など、言語学者の研究分野は多様。

16.日本語教師

日本語教師とは、国内外の日本語学校などで、外国人に日本語や日本文化を教える仕事。

これまでは教員免許のように必須の資格はなかったが、在留外国人の増加にともなう日本語教師の質・量の確保のため、2024年から国家資格「登録日本語教員」制度がスタートすることに。

文部科学省から認定を受けた「認定日本語教員機関」で日本語教師として働くには、日本語教員試験に合格&実践研修を修了して「登録日本語教員」となる必要があり、日本語教師の社会的意義や待遇の向上にも期待が寄せられている。

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17.語学教材編集者

語学教材編集者とは、出版社などで語学の教科書・参考書・問題集などの教材を企画して作る仕事。

執筆や監修は専門家に依頼するため、語学力は必須ではないが、あればもちろん仕事上のアドバンテージとなる。

TOEIC(R)テストなどの検定対策の参考書や子ども向けの英語学習本の他、英語以外にもさまざまな語学教材が出版されている。

英語・語学が活かせる仕事に関わる仕事の最新の業界事情

語学のスペシャリストの仕事は、多種多様で活躍の場は幅広い。

今後ますます需要が高まる仕事でもあるが、この業界の最前線ではどんなことが起こっているのだろうか。

最後に、英語・語学が活かせる仕事のこれからについて考えてみよう。

人工知能(AI)の進化で、翻訳・通訳の仕事はどうなる?

英語・語学が活かせる仕事に関わる仕事の最新の業界事情
※AIの発達により、英語・語学が活かせる仕事はどのように変化していくのだろうか
ビジネスのグローバル化によって、海外の企業や取引相手とリモート会議やメールでやりとりすることが日常になりつつある現代では、言語の壁を超えるためのツールも急速に進化。

AI(人工知能)を活用した自動翻訳アプリやAI通訳機などの比較的安価に利用できるサービスが開発され、「TOEIC(R)960点レベルの高精度」といった、言語のプロと比べても遜色のない能力を持っていることが宣伝文句として掲げられている。

では、人による翻訳・通訳の仕事はすべてAIによる自動翻訳に切り替わっていくのかといえば、けっしてそうではない。

AIはある言語を別の言語へできるだけ正確に置き換えるという機械的な作業は得意とするものの、会話の奥にある意図や相手の国の文化的背景を汲み取った翻訳や、それぞれの言語がもつ独特の言い回しやオブラートに包んだ表現は苦手とするため、その両方を兼ね備えた人間による翻訳・通訳が重宝されるシーンは少なくないからだ。

相手が発する言葉だけでなく、声色や表情などさまざまな情報を集め、周囲や相手の状況を察しながら臨機応変で相手に寄り添ったコミュニケーションができることも、人が介在することの大きな価値といえるだろう。

英語・語学を活かせる仕事に興味のある人におすすめの学問

英語・語学を活かせる仕事に興味のある人におすすめの学問
※英語・語学を活かせる仕事に関連する学問をまとめて紹介
英語・語学を活かせる仕事と言っても、職種や活躍の場はさまざまであることがわかった。

どれが自分に合うのかよくわからないという人は、興味のある学問から将来の道を探ってみるのもひとつの手だ。

ここでは、英語・語学を活かせる仕事を目指すために学んでおくとよい、関連性の深い学問の概要を簡単に紹介。

もっと詳しく知りたい人は、「詳しく知る」ボタンから記事をチェックしたり、資料請求したりしてみよう。

語学(英語)

語学(英語)とは実践的な英語力を磨く学問。

使える英語能力を身につけるために、「読む・書く・聞く・話す」の4技能を総合的にしっかりと鍛える。

同時に、アメリカ、イギリスなど英語圏の国々をはじめとする外国の文化や歴史についても研究する。

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語学(英語以外外国語)

語学(英語以外外国語)とは、アジア、ヨーロッパなどの各国の言語と文化・歴史などを学ぶ学問。

中国語、韓国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語などの外国語を使う力を養う。

それぞれの言語を使う国々の文化、社会、政治、歴史などについても学び、外国への理解を深める。

●語学(英語以外外国語)について詳しく知る
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国際文化学

国際文化学とは、歴史、文学、芸術などの観点で、世界の文化を比較する学問。

文化を共有する集団を民族、言語、国家、宗教、小集団や大衆などさまざまな側面で捉え、学際的・実証的に分析する。

国際的視点や比較文化的視点を重視している。
 
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国際関係学

国際関係学とは、世界各国の関係を知り、国際社会の問題を研究する学問。

国際社会に存在するさまざまな問題解決に向けて、国家地域間の比較やその地域の政治、経済、文化などを、調査や現地研修などを通して分析研究する。
 
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外国文学

外国文学とは、海外の文学作品を読み、その国の文化や思想を学ぶ学問。

外国文学を読み、作家や作品の研究を通して、作品の背景となる歴史や文化、社会や人間そのものを研究する。

文学史、作家論のほか、言語や文化の研究も行う。語学学習は必須。

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教育学

教育学とは、よりよい教育とは何かを様々な角度から研究する学問。

講義や教育実習を通して、人間が育っていくプロセスのさまざまな問題を研究していく。

学校の他、家庭や社会、産業など多方面から人間教育を考え、理論や目的、指導方法などを学ぶ。

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コミュニケーション学

コミュニケーション学とは、人と人との関係性を、コミュニケーションという切り口で研究する学問。

現代社会のコミュニケ―ションをさまざまな角度から考える。

異文化理解・国際交流・情報発信に欠かせない多用なコミュニケーション様式を研究する。

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取材・文/伊藤敬太郎(原文)、ミューズ・コミュニティー イラスト/桔川 伸
コンテンツ提供/ リクルート進学総研『キャリアガイダンス』
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