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  • 土田 康彦さん(調理師本科(1年制)/ガラス工芸家)

大阪府認可/専修学校/製菓衛生師養成施設指定申請中/大阪

ツジチョウリシセンモンガッコウ

先輩の仕事紹介

アーティストとしての原点は、辻調で学んだ「食」と「品格」です

ガラス工芸家
調理師本科(1年制)/1988年卒
土田 康彦さん

この仕事や研究の魅力・やりがい

私のアートの世界は、多様な要素から成り立っています。ヴェネツィアンガラス、絵画、映像、音楽、そして食。これらの異なる分野が、私の作品の根幹をなす重要な要素となっています。私が学んだ重要なことの一つは、孤立して成功を収めることは難しいということ。人々とのつながりと協力が、個人の成長と成功に不可欠な要素となります。私は多くの仲間、アーティスト、職人と出会い、共に作業し、学びました。彼らから受けたサポートと刺激が、私の創造性を引き立て、新たなアイデアを生み出す助けになりました。食とアートは、私にとって一体です。これらの分野を学び、探求することは、新たな視点を開き、アート制作の源になっています。

この分野・仕事を選んだきっかけ

小さな頃から絵を描くことが好きで、アーティストになる夢を抱いていました。しかし、現実的にはアーティストとして生計を立てるのは難しいと感じ、どうやって食べていくか悩んでいました。そのとき、「食」が私の未来を切り開く鍵だと感じ、調理師の道を選ぶことにしました。そこで辻調で調理師のスキルを学び、パリの日航ホテルで働き始めました。パリでは世界中からアーティストが集まり、食に対するニーズも高かったのです。そしてパリを拠点に世界中を旅しながら、アートと食を融合させた道を探求していたところ、イタリアのヴェネツィアで感じた美しさや伝説のレストラン「ハリーズバー」での出会いが私の人生を変えました。

ヴェネツィアンガラスは、1200年ともいわれる歴史をもつアートです。その間、多くのガラス職人やアーティストが知恵を重ね、技を磨いてきました。(写真提供:田邊アツシ)

学校で学んだこと・学生時代

私が辻調で学んだのは「知性と品格」。どんなに忙しくても、調理器具の扱いに丁寧で、基本を決して疎かにしない。そして料理に対するリスペクトが本物を見極める感性を磨き、何物にも動じない確かな品格を育てるのだと。それこそが一流であることの証なのだと思いました。ある時、辻静雄先生の講義があり、200名を超える生徒が講堂に集まりました。そこには美味しいケーキと紅茶が用意されていて、全員がそれをいただきながら講義を聞くわけです。その優雅で凛とした雰囲気に魅了されたことを、今でもよく思い出します。

(写真提供:田邊アツシ)

分野選びの視点・アドバイス

食とアート、両方の分野に足を踏み入れた私にとって明確なのは、食とアートは同源であるということです。辻調で学んだ食の知識と技術は、美術制作の過程においても重要な役割を果たしました。まず、食事を通じたコミュニケーションは、アート制作においても重要です。その瞬間に触発され、新たな発想が生まれることがあるからです。また、辻調で築いたネットワークは、新たなプロジェクトやコラボレーションの機会を生むのに役立ちました。異なる分野の人々との交流は、創造的なアイデアを育む上で有益です。皆さんもあらゆる分野を探求し、独自の視点を見つけてください。それが、より深い洞察やクリエイティブなアイデアの源となるでしょう。

食もヴェネツィアンガラスも総合芸術。伝統の積み重ねの中に、次なる答えがあるはずだから

土田 康彦さん

ヴェネツィアンガラス アーティスト/調理師本科(1年制)/1988年卒/ヴェネツィア・ムラーノ島で活動するアーティスト。岡山県出身。辻調理師専門学校卒業と同時に日本を離れ、パリで食と芸術の道を志す。1992年イタリア ヴェネツィアに住まいを移し、老舗レストラン『ハリーズバー』に勤務するかたわら各地で個展を開催。1995年からムラーノ島にてヴェネツィアンガラス制作に携わる。2015年ミラノ万博日本館にて最優秀金賞。2016年のヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展日本館にて『ガラス橋-en』の制作協力で審査員特別賞。多様な作風の中にも一貫した強いメッセージやコンセプト、哲学が根底に存在し「ガラスの詩人」の異名を持つ。

※この画面の情報は、すべて取材した時点でのものになります。

この先輩が学んだのは…

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