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航空管制官になるためには、国土交通省が行っている航空管制官採用試験に合格する必要があります。また、航空機のパイロットとの交信はすべて英語で行われるため、一般的な国家公務員の試験科目に加えて、英語のヒアリングや読解、英会話などの試験も課されます。さらに、視覚や聴覚などが業務に直接影響するため、身体的な適性も測られます。航空管制官は人気のある職業で、例年、約120人の採用予定数に対して、20倍ほどの応募がある難関試験となっています。一次試験と二次試験は全国で行われますが、三次試験のみ航空保安大学校のある大阪府泉佐野市だけで行われます。
難関である航空管制官採用試験
試験は全部で三次試験まであり、一次試験は一般的な公務員として必要な能力についての基礎能力試験と、航空管制官として必要な記憶力、空間把握力についての適性試験Ⅰ部、英語のヒアリングと英文解釈、和文英訳、英文法の外国語試験。二次試験は英会話の能力を試す面接試験と人柄や対人能力を試す個別面接。三次試験は適性試験Ⅰ部で測った記憶力、空間把握力を航空管制業務シミュレーションによって試す適性試験Ⅱ部と、身体検査、視力・色覚・聴力の身体測定があります。合格率は例年10%前後で、平成27年度(2015年度)の試験では申込者1005人に対し最終合格者は141人であり合格率は約14.1%でした。
身体的な適性も選考基準の一つ
航空管制官は、目や耳を使って航空機を誘導するため、身体測定が行われます。エックス線撮影などの内科系の検査のほか、視力、色覚 聴力について測定されます。人の命を預かる重大な責任を背負う職業ですので、その他の試験でいくら高得点を取っていても、身体適性がなければ自動的に不合格になってしまいます。
・視力について
どちらの目も片目で0.7以上、両目で1.0以上、の視力が必要です。どちらか一眼でも、80センチメートルの視距離で、近距離視力表(30センチメートル視力用)の0.2の視標を判読できない者、どちらか一眼でも、30~50センチメートルの視距離で、近距離視力表(30センチメートル視力用)の0.5の視標を判読できない人、色覚に異常がある人は不合格となってしまいます。
・聴覚について
3000ヘルツで50デシベル以上、2000ヘルツで35デシベル以上、1000ヘルツで35デシベル以上、500ヘルツで35デシベル以上と、音の周波数ごとに定められた大きさの音が聞き取れない場合は、片耳だけでも不合格となります。ヘルツは数字が大きいほど高い音、デジベルは数字が大きいほど音量の高い音を表します。例をあげると、3000ヘルツ(人が最も聞き取りやすい周波数)の場合は、50デシベル(普通の会話の声程度)以上の大きさの音が聞き取れなければなりません。
仕事をするうえで英語力は必須
パイロットとのコミュニケーションにあたって、英会話の能力が十分でないと、事故につながる可能性があります。このため航空管制官は、採用試験に合格した後も英語力を高め続けなければなりません。また、航空管制業務を行うためには、国連専門機関である国際民間航空機関(ICAO)が定める英語能力証明試験(操縦士や管制官などの英語能力が、実用レベルか否かを判定する試験)を定期的に受験して、一定以上の成績を取る必要があります。採用試験で問われるのはヒアリング、リーディング、英会話という一般的なテストですが、業務をするうえでは、より応用的な英語力が求められます。
航空管制官になるには?
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