一級建築士として、住宅や店舗を中心に数多くの建築計画を手がけてきました。そんな経験を通して、“建築”が関わる範囲の多彩さを実感しています。人間工学や色彩、音響、都市計画、歴史など、建築には実に幅広い要素が複雑にからみあっています。これら一つひとつの要素を加味しながら、暮らす人や店舗スタッフなど、利用者にとって本当に心地よい空間をプランニングしていく視点が必要です。
そのために自身の知識や経験は重要です。同時に、各分野に秀でた仲間とのネットワークもとても重要だと感じています。家は建築士一人でできるものではありません。さまざまな職人の力が不可欠であり、オーナーも含めた3者の協業で完成していくもの。だからこそ、さまざまな人のアイデアや専門知識を生かすことが、よりよい建築計画につながると考えています。
建築・デザイン学科では一級建築士(国)受験資格をはじめ多彩な資格を目指すことができます。「授業では試験対策に重点を置いています。ただ、それだけではありませんよ」。こう話す伏間先生は、地域と連携した取り組みにも力を注いでいます。
例えば、まちづくり協議委員会と連携し、地域のシンボルツリーのイルミネーションイベントを企画しました。「地域住民の皆さんとコミュニケーションをとる中で、学生には相手への思いやりや気遣いを学んでほしい。建築士にはその視点が絶対に必要ですから」。伏間先生はこう教えてくれました。
社会人になると、多くの人と名刺を交換します。その名刺には、きっと学歴は書かれていないでしょう。ただ、取得した資格を入れた名刺はたくさんあります。信頼を高める資格に挑戦し、社会でぜひ飛躍してください。
専門分野:建築計画、建築設計製図
富山市出身。富山県立大門高校卒業後、専門学校で建築設計を学び、卒業後、愛知工業大学建築学科に進学。同学卒業後、地元に戻り、宮大工や設計事務所に勤務し、ハウスメーカーへ。一級建築士として住宅や店舗などの設計を数多く手がけた。2022年4月、富山情報ビジネス専門学校建築・デザイン学科の開設とともに同校教員に。建築計画や建築設計製図、課題解決学習などの授業を担当している。