キャリアガイダンスVol.428 別冊
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3Vol.428 別冊付録18世紀後半1970年代~20世紀前半2015年~動力の獲得[蒸気機関]第1次産業革命IoT、ビッグデータ、人工知能をはじめとしたデータ利活用に関連した技術革新は、「第四次産業革命」とも呼ばれ、動力の獲得、革新、自動化に次ぐ新たな産業構造の変革の契機として、我が国経済へ大きな影響をあたえるものと考えられる。動力の革新[モーター]第2次産業革命自動化[ICとプログラム]第3次産業革命自律化・相互協調[IoT、AIなど]第4次産業革命連続的成長非連続的成長時間成長度時間成長度かつての日本のメーカーの成長モデル。以前の成功の延長線上に次の成功が生まれるこれからの時代の成長モデル。今までの成功とは別のラインからイノベーションが生まれるが進んだ結果、変化に対応しにくいボトムアップ型の組織構造が固定化してしまったというのが、日本の製造業が抱える課題の一つです。また、日本の製造業は本質的には現場がリードしてきたので、現場主導が上手く機能する組織構造を好み、ボトムアップ型の意志決定が多くなされてきました。しかし、非連続的成長を実現するには、変化を見抜いて臨機応変に大胆な経営判断をすることが不可欠で、トップダウンの意志決定と、戦略に連動できる組織構造が求められます。それらは、これまでの日本の製造業の意思決定スタイルや強みとした組織能力と大きく異なります。この点も課題の一つですね」 図4に示したように、世界は既に第4次産業革命に突入している。デジタル化、ネットワーク化を背景にどのような革新的な製品、サービスを提供できるかという競争が世界規模で行われており、この変化が止まることはもうない。 「そういった意味では、日本の製造業は大きな変化の時期を迎えています。既に組織改革を進めている企業も一部にはあり、今後、多くの企業に変化の波は広がっていくでしょう」 一方で、日本の製造業の強みはどこにあるのか。既に出てきたようにそれは現場の力だ。  例えば、国際宇宙ステーションや航空機などに日本の中小企業が製造した部品が使用されているといった話は枚挙に暇がない。世界規模のビッグプロジェクトで、なぜ日本の中小メーカー では、今、企業が直面している変化とはどういうものなのか。それを端的に示すのが図3だ。高度成長期からバブル期にかけての日本の製造業は、かつての成功の延長線上で「改善」を続けることによって成長できた(=連続的成長)。しかし、テクノロジーが劇的に進化を続け、人々のライフスタイルもニーズも急激に変化するようになっている現在は、スピーディに変化に対応し、かつての成功に固執せず、別のラインから新たな成功を生み出すことによる非連続的成長が求められている。 日本のメーカーがこの根本的なシフトに柔軟に対応できない理由はその組織構造にあると平山氏は指摘する。 「かつての日本のメーカーを支えていたのは現場のエンジニアの高い技術力です。その技術力を土台に組織の巨大化と分業化第4次産業革命に至る流れ図4※中小企業庁の資料を基に編集部にて作成連続的成長の時代から非連続的成長の時代へ図3※経営競争基盤 平山氏のお話を基に編集部にて作成

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