キャリアガイダンスVol.427 別冊
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7Vol.427 別冊付録たらいいか』『こういう相手にはどう接するのがいいのか』をそのつど考え、行動できるようになることが大切。コミュニケーションの結果は自分に責任がある。これを意識できるようになった学生は成長します」 稲垣氏は、英語力以前に、このような多様性への対応力こそが、グローバル・リーダーシップの要諦だと指摘する。学生はGL101の修了後に英語科目に進み、スキルアップを図ることもできるが、GL101・GL201の日本語科目だけでもグローバル・リーダーシップのコアとなる要素は十分習得できるという。 また、SA(Student Assistant)、CA(Course Assistant)という立教GLP経験者の学生アシスタントの存在も立教GLPの大きな特色だ。 科目のマスターとなるカリキュラムは、毎年、コースリーダーとCAが協力して作成。そして、SAが担当するクラスの特徴に合わせて各回の授業をアレンジ。授業では教員はあまり前に出ず、主にSAが受講生をサポートする。 「SAは、立教GLPで学んだリーダーシップや質問力を活かして受講生に接します。受講生に成長がなければ、担当するSAにとっては自分のコミュニケーションに問題があるということですから、悩むこともある。SAを務めることは、彼ら彼女らにとってさらなる成長の機会なんです。一方、受講生にとっては、SAの自分たちへのコミュニケーションがお手本になります」 主役は学生。学生が自分自身で主体的にトライし、成功も失敗もするなかでリーダーシップを学んでいくのが立教GLPだ。だからこそ、学生は一人ひとり違う、「自分にとってのリーダーシップ」を身につけることができる。 「実際に経験することで、リーダーシップのなかでも、自分は人を巻き込むことが得意だ、傾聴が得意だといった特徴を理解できますし、なりたいリーダー像と現時点とのギャップも把握できる。それらを踏まえて、変に無理しない、自分らしいリーダーになってほしい。そして、自分のためでなく、組織の目的のため、他人のために動けるリーダーになってほしいですね」 そのために重要なのは、インターンシップやボランティアなど、大学の外に出て、学んだリーダーシップを使うことだと稲垣氏は語る。プログラム外でも学び、成長する力を身につけられることが、立教大学のリーダーシップ教育の大きな強みだ。卒業生インタビュー 立教GLPでは、GL101とGL201を履修しました。履修前は「リーダーシップはカリスマ性がすべて」と考えていて、その点に関しては自信満々だったんです(笑)。GL101のグループワークでも、私だけが2年次生で他のメンバーが全員1年次生だったこともあり、とにかく自己主張し続け、何でも自分で決めていました。 しかし、あるメンバーから「もっと周りを見てほしい」というフィードバックを受け、自分一人で突っ走ってチームとして他のメンバーを活かせていなかったと気づかされたんです。それをきっかけにチーム内での態度や発言も大きく変わりましたね。 大学3年次と4年次にはGL101とGL202のSAを経験。このときはGL201で学んだ質問力が役立ちました。深入りも放置もせず、決して答えは教えない。しかし、常に相手に敬意をもって接する。このスタンスはインターンシップでも役立ちましたし、先輩ばかりの広告営業部隊でもリーダーを務める機会を頂けました。1年目からこの役割を任せてもらえたのも、大学で権限なきリーダーシップを習得できたからこそ。「愛のあるリーダーは決して仲間を見捨てない」。立教GLPを受講しなければたどりつけなかった、今の私のポリシーです。アウモ株式会社パートナーマーケティング部マネージャー兼採用担当(グリー株式会社より出向)木島康平さん2018年、立教大学文学部文学科フランス文学専修卒業。2019年にグリー株式会社に入社後、自ら希望して大学時代のインターンシップ先だった現在の職場へ出向。多様性のあるチームで、意見を言ったり、説得したりする際には、適切な質問をすることによって相手の考えを理解することが必要。この科目ではそんな「質問力」を養う。GL101に続いて履修する学生が多い。2~3週間の海外学習プログラム。まずGL101、GL111などの科目を履修し、身につけたリーダーシップを海外で試せる他、先にこの科目を履修し、リーダーシップを学ぶきっかけとすることもできる。質問力を英語で活用できるよう、実践的にトレーニングする科目。シンプルで強力な質問力を身につけることで、英語環境でのグループワークやプロジェクトでも自分なりの貢献ができるようになる。海外から講師を招き、権限を得たときのリーダーシップについて、ディスカッションしながら学ぶ科目。映画などを題材に困難に直面したときの決断や多様性への対応などがテーマ。2月に短期集中で実施。「もっと周りを見てほしい」の一言で考え方が変わった

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