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看護師の必要な試験と資格は?

看護師の必要な試験と資格は?

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看護師として働くためには、看護師国家試験の合格者に与えられる「看護師資格」が必要です。看護師国家試験の受験者数は毎年5~6万人で年々増加傾向にあります。合格率は90%前後で推移しており、決して低い数字ではありません。特に新卒者の合格率は既卒者より高く、2020年に実施された第109回看護師国家試験においては新卒者の合格率「94.7%」という結果が出ていることからも、看護師養成課程で卒業までしっかり勉学に励めば、看護師になること自体はハードルが高いものではないということがわかります。

看護師国家試験(毎年2月に実施)

≪試験内容≫
・筆記試験
人体の構造と機能、疾病の成り立ちと回復の促進、健康支援と社会保障制度、基礎看護学、成人看護学、老年看護学、小児看護学、母性看護学、精神看護学、在宅看護論および看護の統合と実践

≪試験地≫
北海道、青森県、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、石川県、大阪府、広島県、香川県、福岡県及び沖縄県

◇合格率:89.2%(2020年2月実施、第109回看護師国家試験)

そのほかにあると便利な資格

○助産師
妊産婦を対象に保健指導・育児相談・分娩時の介助を行います。看護師と異なり、助産師には「助産行為」(正常分娩に限る)、赤ちゃんの取り上げやへその緒の切断といった医療行為が認められています。看護師としても産婦人科に勤務することはできますが「お産に直接かかわりたい」「専門知識に基づいた母子のケアがしたい」と考える人は助産師資格を取得する必要があります。なお、助産師になれるのは女性のみ。助産師になるには、いくつかのルートがあります。

1)看護師資格を取得後、助産師養成学校(1年制)を卒業。助産師国家試験に合格する
2)助産師養成課程がある大学の看護学科・看護学専攻(4年制)を卒業し、看護師と助産師の国家試験受験資格を同時に取得。看護師と助産師の国家試験に合格する
(※助産師国家試験が合格でも、看護師国家試験が不合格の場合は助産師資格を取得することはできません)

○保健師
保健所や検診センターで乳児健診や健康診断を行ったり、健康上のアドバイスをしたりします。病気や怪我の「治療」をサポートする看護師とは異なり、保健師の仕事は「予防」がメインになります。そのため、保健所や企業の健康管理室などでは、看護師よりも保健師のニーズが高くなっています。保健師も助産師と同じく看護師資格+αの資格になるため、保健師になるには「看護師国家試験」と「保健師国家試験」の両方に合格しなくてはなりません。看護師資格を取得後、保健師養成学校(1年制)を卒業して保健師国家試験に合格するか、大学卒業後に看護師国家試験と保健師国家試験に同時に合格するのが一般的なルートです。市町村の保健センターや都道府県の保健所に勤務する場合は、地方公務員試験にも合格する必要があります。

○認定看護師
熟練した看護知識や技術をもち、日本看護協会から認定を受けた看護師。認定看護師は、通常の看護業務にプラスして、看護職者への指導・相談業務も担うことができます。「看護の実践」「指導」「相談」の3つの役割を果たすなかで、看護ケアの質の向上を図ることに貢献します。
また認定看護師制度の改正に伴って、2020年度から特定行為研修を組み込んだ19分野の新たな認定看護師教育が開始され、医師の診療の補助として特定行為を行うことができるようになり、より水準の高い看護実践を提供することができます。
現行の21ある認定看護師教育は2026年度に終了し、新たな認定看護師に統合・名称変更されて認定分野は合わせて31分野になります。
認定看護師認定審査(書類審査・筆記試験)を受験するには、通算5年以上の実務研修経験をもち、うち3年以上は認定看護分野での実務研修を行っていることが条件となります。2020年9月時点では全国で「20,721人」の認定看護師が活躍しています。
分野別上位登録者数は以下のとおりです。

1位:感染管理(2,852名)
2位:皮膚・排泄ケア(2,521名)
3位:緩和ケア(2,438名)
4位:がん化学療法看護(1,633名)
5位:認知症看護(1,565名)

○専門看護師
13ある特定の看護分野(2016年12月現在)において、卓越した看護実践能力を有することを認められた看護師。専門看護師の役割は「看護の実践」「指導」「相談」に加え、必要なケアが円滑に行われるために保健医療福祉に携わる人々の間のコーディネーションを行う「調整」、個人・家族および集団の権利を守るために倫理的な問題や葛藤の解決をはかる「倫理調整」、実践の場における研究活動を行う「研究」と、多岐にわたります。
専門看護師の認定を受けるには、専門看護師認定審査(書類審査・筆記試験)の受験が必要です。看護系大学院修士課程修了者で日本看護系大学協議会が定める専門看護師教育課程基準の所定の単位(総計26単位または38単位)を取得していること、通算5年以上の実務研修経験をもち、うち3年以上は専門看護分野での実務研修を行っていることが条件となります。2020年9月現在、全国で活躍する専門看護師は「2,479名」と、認定看護師に比べるとまだまだ数は少ないのが現状です。
分野別上位登録者数は以下のとおりです。

1位:がん看護(881名)
2位:精神看護(341名)
3位:急性・重症患者看護(271名)

○ケアマネージャー
市町村の依頼により、介護が必要な高齢者の自宅を訪問して、身体状況を調査。介護が必要だと認定された人の相談に応じ、適切な介護サービスの内容や業者を決めるなど、ケアプランを策定する立場にある介護支援専門員です。多いのは介護福祉士や社会福祉士のケアマネージャーですが、看護師資格をもったケアマネージャーは「病気の経過をよく理解してくれている」「退院後にどんな経過をたどるかを予測したうえで、必要なサービスを考えてくれる」など利用者の方々からの評価が高く、よろこばれる存在となっています。看護師からケアマネージャーになるには、看護師として5年以上の実務経験を積んだ後、「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格し、さらに6~7日間の実務研修を修了して資格を取得しなくてはなりません。第22回試験(令和元年度)の合格率は19.5%となっています。

出典

第106回保健師国家試験、第103回助産師国家試験及び第109回看護師国家試験の合格発表(厚生労働省、2020年3月19日発表)

認定看護師-分野別都道府県別登録者数一覧(公益社団法人 日本看護協会 認定部、2020年9月現在)

専門看護師-分野別都道府県別登録者数一覧(公益社団法人 日本看護協会 認定部、2020年9月現在)

第22回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について(厚生労働省、令和元年10月13日及び令和2年3月8日試験実施)

取材協力・監修

岡田千夏※2020年9月3日更新

腎臓内科病棟・人工透析外来・精神科/心療内科病棟・介護施設等勤務を経て、現在はライフワークバランスに合わせて、地域にお住まい・お勤めの方のためのニーズに応じた地域医療に貢献する皮膚科クリニックで7年目。看護師長としてスタッフへの教育を通して看護レベルを底上げしたり、クリニック全体の動きを意識することで、地域の患者さんの生活の質の向上に携わることができる環境に感謝とやりがいを感じ、そこから学び自分らしい生き方を追求している。

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