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電車運転士が仕事をするときの心がけ

電車運転士が仕事をするときの心がけ

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常に緊張感をもっている電車運転士は、仕事をするときにはどのようなことを心がけているのでしょうか。毎日決まったことを少しも狂わせることなく続ける大変さや、臨機応変な対応が求められる際にはどのようなことを考えるのでしょうか。ここでは電車運転士が運転中に常に心がけていることを聞きました。

当たり前のことを特別熱心に、しかも徹底的に!!

当たり前のことを特別熱心に、しかも徹底的に!!

「当たり前のことを特別熱心に、しかも徹底的に」というのは常に私が意識していることです。ラッシュの時間帯には自分の腕に、乗車している約3000人の命を預かっていることになります。何も起こらないことが当たり前ではありますが「何も起こらない」ことを継続させることの難しさ、そして、何か起きたときに瞬時に対応できる冷静さは常に心がけています。
毎日同じことの繰り返しで、だんだんそれが「当たり前」になっていたとしても、常にその「当たり前」を徹底して熱心に維持することができるかは、電車運転士にとってとても重要なことです。
また「安全」を当たり前の土台にしながらも、燃料や電気代などを無駄に使わない「環境」、時間どおりに運行する「定時性」、そして揺れなどを極力抑えた「快適」の天秤のバランスを取るようにしています。安全であることは何にも代えることはできませんが「定時性」を守ろうとスピードを上げれば「快適性」と「環境」を犠牲にしなければならないこともあります。
例えば、今の時間帯は絶対に「定時性」を優先しなければならない、と思えば安全を守ることのできる範囲内でバランスをみながら「定時性」の優先度を少し高める、といったことは常に見極める必要があります。
また、毎日同じことを繰り返すことが求められる仕事のため、つい現状維持をすることばかりに意識が向いてしまうこともあります。しかし、現状維持で満足させずに「もっとよくするためにはどうすればいいか」ということも忘れないように心がけています。

マニュアルは常に持ち歩き、こまめに確認する

電車運転士の仕事には車両のしくみや整備方法、事故が起きてしまった際の対応や故障時の直し方など、膨大なマニュアルが存在します。もちろん、乗客対応やアナウンスについても、同じ対応ができるように細かいマニュアルが決められています。すべて積み上げると30センチくらいの分厚さになってしまうほどの量です。そのため、たとえ長年勤務していても、とある箇所を忘れてしまうこともあります。
しかし、緊急時に「忘れてしまった」では済まされません。常にすべてのマニュアルを持ち歩き、空いた時間に頻繁に読み返すようにしています。すべてを覚えることができなかったとしても、マニュアルのこの位置にあの故障の直し方が書いてある!ということを覚えておけば、何かが起きてもすぐに確認し対応することができます。
電車運転士がいつも重たそうな大きなカバンを乗車中にも持ち歩いているのはマニュアルをすべて持ち歩いているからなのです。

取材協力

井上 直樹(電車運転士)

1984年愛媛県松山市出身。専門学校卒業後、駅員として都内の鉄道会社に入社。 甲種電気車操縦者運転免許を取得し、運転士を10年勤める。 人事異動で駅員に戻り、現在駅長としても勤務している。 また鉄道会社に勤務する人達と共に勉強会を開催している。

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